映画が始まった時、私は懐から買ったばかりの数珠を取り出し握りしめていた。このタイトルから「何か」を覚悟していたから。
しかし短篇が進むに連れ、解れていく気持ちが握った数珠に流れ込んでいった。
この作品はさりゆくものにとって灯台のような感触だと思ったが、見終わるとその逆で、さられた人にとっての灯火のような感触に変わっていた。
そして「さりゆくもの」にずっと囚われているのではなく(忘れてしまう事に罪悪感を持ち続けるのではなく)、そこから一歩ずつでも前進していくのが生きていくって事なのかなと、週末父の一周忌法要があるのに田舎に帰れなくて後ろめたさを抱えていた私自身に言い聞かせてみた。
―佐倉 萌(女優)
観ていただいてすぐにコメント書いて頂きました!ありがとうございます!!
「いつか忘れさられる」を撮影した頃はコロナなんて想像もつかず、
通常のお葬式から法事といった手順を踏めず、悲しみを共有できていない家族という想定をしていたのですが、
現在のこのコロナ禍の状況だと、皆が同じく悲しみの共有をしにくくなっているので、
想定外ですが今この映画を上映する意味があるような気がしています。
ほたる