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コメント頂きました!(福原彰・映画監督/脚本家/新東宝映画プロデューサー)

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ほたるさんの映画はもとより、番組全体が想像以上によくまとまった面白い内容でした。「さりゆくもの」という企画のテーマは「愛と死」ということかもしれませんが、 20年前は家族の崩壊や関係の不可能性についてよく語られていたのが、ほたるさんもトシキさんもひとめぐりして家族の喪失だけでなく回復の物語を語っているのが印象的でした。あるいはこれはほたるさん固有の指向やテーマということなのでしょうか。
「いつか忘れさられる」は家族の死という重いテーマを扱いながら、娘の視点がひとつのポイントになって、家族がひとつの宇宙であるように感じられる稀有な瞬間がありました。登場人物が言葉で語らない分、古い日本家屋の陰影とまぶしいほどの雪景色を見事にとらえたカメラがなんともいえない雄弁さで語っているようで。母を見つめる娘の無垢で深みのある視線が目に焼き付きました。父は慟哭し、母はじっと耐える……これも凄いなと思いましたが、彼岸で息子を迎える母の笑顔がすべてを物語っているようで。息子の足音を聞いてゆっくり振り返るほたるさんの顔をじっくりアップで撮ってみたいと思いましたが、これは部外者の勝手な妄想ですw
トシキさんも相変わらず見事で……もはや名匠の領域ですね。

―福原彰(映画監督/脚本家/新東宝映画プロデューサー)

福原さんとは自分が新東宝映画に出演している時からのお付き合いですが、前作「キスして。」でも色々アドバイス頂いてました。

今回もコメントいただけてありがたいです。